
遺品整理の専門家
文明は必ずこの両面を持っています。
さきほども述べたように、古代文明があったところでは、石油に頼らずとも文明が作れるという意識があったため、石油に対する意識は鈍かった。
しかしアメリカは荒野だったし、そこに世界中からバラバラの人間が集まってきた。
そういうところでなぜ文明ができたのかと言えば、まさに秩序を石油によって維持したためです。
秩序を維持することは、エントロピーをどこで捨てるかという問題であり、それを一世紀続けたら炭酸ガス問題になったのです。
アメリカ文明のいちばん端的な例は、アパートの家賃が光熱費込みだということです。
これではエネルギーの節約に向かうはずがない。
だから、恐ろしく単純な問題なんですよ。
それを認めずに何かを言っても意味がない。
僕が代替エネルギーを認めないというのは、どんな代替エネルギーを使おうが、エントロピー問題には変わりがないからです。
結論的には、ぼちぼちにエネルギーを使って、人間をぼちぼち訓練するしかないと思う。
それしかない。
いまはちょっと石油依存がひどすぎます。
つまりこっちは適当に我慢し、適当にエネルギーを使うしかないんですよ。
丸儲けはありえない。
そんなこと、いつだって当たり前だが、石油文明はそれをごまかしてきた。
ただで秩序が手に入ると、暗黙のうちに約束してきたんです。
それが右肩上がりの進歩主義というものでしょう。
隠していたのは「原油価格一定」という秩序です。
その結果を逆にして「自由経済」と呼び、自分をだましてきたんです。
人間が自力で秩序を手に入れるには、ほんとうは努力・辛抱・根性しかない。
そこを省略して、エネルギー消費で間に合わせれば、環境問題になっていくんです。
私は若者をだます気はありません。
エネルギーに頼らず、自力で暮らせればよいとは思います。
ただし、いまの状況で山奥で畑を作れなんていいません。
日本人がエネルギー抜きで理想社会なんて作ったところで、中国人や北朝鮮の人が侵入してくるだけのことでしょう。
人間が自力で暮らす社会を、長い目で見て、上手に作っていくしかないんです。
そこに軟着陸するためには、具体的なモノを徹底して理解する必要がある。
正義とか、倫理とか、公平とか、いうのは結構だが、そんな空気みたいな抽象的なものは食べられない。
「衣食足りて礼節を知る」んです。
古代の人がいう衣食とは、現代のなにか、考えてみる必要がありますよ。
衣食とはつまり、ここでいうモノに対する理解のことなんです。
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